ストック・オプション等に関する会計基準

目的

1 我が国では、平成13年11月の商法改正において新株予約権制度が導入されたことを契機として、新株予約権のストック・オプションとしての利用が活発化している。本会計基準は、主としてストック・オプション取引の会計処理及び開示を明らかにすることを目的としている。

用語の定義 

(1) 「自社株式オプション」とは、自社の株式を原資産とするコール・オプション(一定の金額の支払により、原資産である自社の株式を取得する権利)をいう。新株予約権はこれに該当する。

 なお、本会計基準においては、企業が、財貨又はサービスを取得する対価として自社株式オプションを取引の相手方に付与し、その結果、自社株式オプション保有者の権利行使に応じて自社の株式を交付する義務を負う場合を取り扱っている。

(2) 「ストック・オプション」とは、自社株式オプションのうち、特に企業がその従業員等に、報酬として付与するものをいう。ストック・オプションには、権利行使により対象となる株式を取得することができるというストック・オプション本来の権利を獲得することにつき条件が付されているものが多い。当該権利の確定についての条件には、勤務条件や業績条件がある。

(3) 「従業員等」とは、企業と雇用関係にある使用人のほか、企業の取締役、会計参与、監査役及び執行役並びにこれに準ずる者をいう。

(4) 「報酬」とは、企業が従業員等から受けた労働や業務執行等のサービスの対価として、従業員等に給付されるものをいう。

(5) 「行使価格」とは、ストック・オプションの権利行使にあたり、払い込むべきものとして定められたストック・オプションの単位当たりの金額をいう。

(6) 「付与日」とは、ストック・オプションが付与された日をいう。会社法にいう、募集新株予約権の割当日がこれにあたる。

(7) 「権利確定日」とは、権利の確定した日をいう。権利確定日が明らかではない場合には、原則として、ストック・オプションを付与された従業員等がその権利を行使できる期間の開始日の前日を権利確定日とみなす。

(8) 「権利行使日」とは、ストック・オプションを付与された者がその権利を行使したことにより、行使価格に基づく金額が払い込まれた日をいう。

(9) 「対象勤務期間」とは、ストック・オプションと報酬関係にあるサービスの提供期間であり、付与日から権利確定日までの期間をいう。

(10) 「勤務条件」とは、ストック・オプションのうち、条件付きのものにおいて、従業員等の一定期間の勤務や業務執行に基づく条件をいう。

(11) 「業績条件」とは、ストック・オプションのうち、条件付きのものにおいて、一定の業績(株価を含む。)の達成又は不達成に基づく条件をいう。

(12) 「公正な評価額」とは、一般に、市場において形成されている取引価格、気配値又は指標その他の相場(市場価格)に基づく価額をいうが、市場価格がない場合でも、当該ストック・オプションの原資産である自社の株式の市場価格に基づき、合理的に算定された価額を入手できるときには、その合理的に算定された価額は公正な評価額と認められる。また、単位当たりの公正な評価額を「公正な評価単価」という。

(13) 「失効」とは、ストック・オプションが付与されたものの、権利行使されないことが確定することをいう。失効には、権利確定条件が達成されなかったことによる失効(権利不確定による失効)と、権利行使期間中に行使されなかったことによる失効(権利不行使による失効)とがある。

範 囲 

(1) 企業がその従業員等に対しストック・オプションを付与する取引

(2) 企業が財貨又はサービスの取得において、対価として自社株式オプションを付与する取引であって、(1)以外のもの

(3) 企業が財貨又はサービスの取得において、対価として自社の株式を交付する取引

なお、(2)又は(3)に該当する取引であっても、企業結合に係る会計基準等、他の会計基準の範囲に含まれる取引については、本会計基準は適用されない。

ストック・オプションに関する会計処理 

権利確定日以前の会計処理

4 ストック・オプションを付与し、これに応じて企業が従業員等から取得するサービスは、その取得に応じて費用として計上し、対応する金額を、ストック・オプションの権利の行使又は失効が確定するまでの間、貸借対照表の純資産の部新株予約権として計上する。

5 各会計期間における費用計上額は、ストック・オプションの公正な評価額のうち、対象勤務期間を基礎とする方法その他の合理的な方法に基づき当期に発生したと認められる額である。ストック・オプションの公正な評価額は、公正な評価単価にストック・オプション数を乗じて算定する。

権利確定日後の会計処理

8 ストック・オプションが権利行使され、これに対して新株を発行した場合には、新株予約権として計上した額(第4項)のうち、当該権利行使に対応する部分を払込資本に振り替える。

9 権利不行使による失効が生した場合には、新株予約権として計上した額(第4項)のうち、当該失効に対応する部分を利益として計上する。この会計処理は、当該失効が確定した期に行う。


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