四半期財務諸表の作成基準

四半期財務諸表等の開示対象期間

 四半期損益計算書の開示方法としては、次のように、大きく三つの考え方がある。

 

(1)  期首からの累計期間の情報のみを開示。これは、四半期損益計算書は年間の業績見通しの進捗度を示す情報を開示するという考え方に基づく。

(2)  四半期会計期間の情報のみを開示。これは、収益動向の変化点を開示するという考え方に基づく。

(3)  期首からの累計期間及び四半期会計期間の情報をともに開示。これは、年間の業績見通しの進捗度の情報だけでなく、収益動向の変化点を把握するための情報も開示するという考え方に基づく。

 

 検討の結果、本会計基準では、証券市場がグローバル化している状況や証券アナリスト等の開示ニーズを踏まえ、国際的な会計基準と同様に、四半期損益計算書の情報については、四半期会計期間及び期首からの累計期間の情報をともに開示することとした。

 

四半期財務諸表の性格

 四半期財務諸表の性格付けについては、中間財務諸表と同様、「実績主義」と「予測主義」という二つの異なる考え方がある。

 「実績主義」とは、四半期会計期間を年度と並ぶ一会計期間とみた上で、四半期財務諸表を、原則として年度の財務諸表と同じ会計処理の原則及び手続を適用して作成することにより、当該四半期会計期間に係る企業集団又は企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する情報を提供するという考え方である。これは、我が国の中間作成基準や国際会計基準で採用されている考え方である。

 一方、「予測主義」は、四半期会計期間を年度の一構成部分と位置付けて、四半期財務諸表を、年度の財務諸表と部分的に異なる会計処理の原則及び手続を適用して作成することにより、当該四半期会計期間を含む年度の業績予測に資する情報を提供するという考え方である。

 

 本会計基準では、次のような理由から、「実績主義」を基本とすることとした。

 

(1)  「中間連結財務諸表等の作成基準の設定に関する意見書」において、①中間会計期間の実績を明らかにすることにより、将来の業績予測に資する情報を提供するものと位置付けることがむしろ適当と考えられること、②恣意的な判断の介入の余地や実行面での計算手続の明確化などを理由として、中間財務諸表等の性格付けが「予測主義」から「実績主義」に変更されたこと。

(2)  季節変動性については、「実績主義」による場合でも、十分な定性的情報や前年同期比較を開示することにより、財務諸表利用者を誤った判断に導く可能性を回避できると考えられること。

(3)  当委員会が実施した市場関係者へのヒアリング調査や当委員会等での審議を通じて確認した我が国の市場関係者の意見では、「実績主義」における実務処理の容易さが指摘されただけでなく、「予測主義」によると会社の恣意性が入る可能性があり、また、会社ごとに会計方針が大きく異なると企業間比較が困難になるとの指摘が多かったこと。

 


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