役員賞与に関する会計基準

 目的

 本会計基準は、取締役、会計参与、監査役及び執行役(以下合わせて「役員」という。)に対する賞与(以下「役員賞与」という。)の会計処理を定めることを目的とする。

 役員賞与の会計処理について、既存の会計基準において本会計基準と異なる取扱いを定めている場合でも、本会計基準の取扱いが優先することとなる。

 

 範囲

 本会計基準は、すべての会社における役員賞与の会計処理に適用する。

 なお、役員に対する金銭以外による支給や退職慰労金については取り扱わない。

 

 会計処理

 役員賞与は、発生した会計期間の費用として処理する。

 

 会計上の考え方

 本会計基準では、以下の理由から、役員賞与は発生した会計期間の費用として処理することとした。

(1)役員賞与と役員報酬の類似性

 役員報酬は、確定報酬として支給される場合と業績連動型報酬として支給される場合があるが、職務執行の対価として支給されることにかわりはなく、会計上は、いずれも費用として処理される。役員賞与は、経済的実態としては費用として処理される業績連動型報酬と同様の性格であると考えられるため、費用として処理することが適当である。

 この点に関して、役員賞与は、利益をあげた功労に報いるために支給されるものであって、利益の有無にかかわらず職務執行の対価として支給される役員報酬とは性格が異なるとの見解もあるが、会社の利益は職務執行の成果であり、この功労に報いるために支給される役員賞与もやはり業績連動型の役員報酬と同様に職務執行の対価と考えられる。

(2)役員賞与と役員報酬の支給手続

 役員賞与と役員報酬は職務執行の対価として支給されるが、職務執行の対価としての性格は、本来、支給手続の相違により影響を受けるものではないと考えられるため、その性格に従い、費用として処理することが適当である。

 なお、会社法では、役員賞与と役員報酬の支給手続は同じ条文で示されており、同一の手続により支給されることになる(平成十七年七月二十六日に公布された会社法では、役員賞与は、役員報酬とともに職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益として整理され、定款に報酬等に関する一定の事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定めることとされた。このように、会社法では、役員賞与と役員報酬とが同一の手続により支給されることとなったため、株主総会における支給手続は会計処理の制約とはならない。)。

 

 当事業年度の職務に係る役員賞与を期末後に開催される株主総会の決議事項とする場合には、当該支給は株主総会の決議が前提となるので、当該決議事項とする額又はその見込額(当事業年度の職務に係る額に限るものとする。)を、原則として、引当金に計上する。

 

 本会計基準の適用に伴い、役員賞与を発生した会計期間の費用として会計処理することとなった場合には、会計基準の変更に伴う会計方針の変更として取り扱うことに留意する必要がある。


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