新株予約権

会計理論において新株予約権(将来、一定の金額で、株式を購入することができる権利)の発行者側の処理方法は古くから論争がありました。そもそも自社株の引き渡し義務として負債性があるのか?など、様々な考え方を理解しましょう。

 

定義(発行者側)

 新株予約権を有する者(以下「新株予約権者」という)が会社に対してこれを行使したときに、会社が新株予約権者に対して新株を発行し、又は新株の発行に代えて会社の有する自己の株式を移転する義務を負うものをいう(取得者側においては株式に対するコールオプションとしての性格を有することになる)。

 

新株予約権の特徴

 権利が行使されるかどうかは行使時点まで未定(暫定的)

 新株予約権の対価は権利行使が行われるまでは、純資産の部に表示する(以前は流動負債)

 

新株予約権が負債ではなく純資産に計上されることになった理由

 概念フレームワークによれば、負債は、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源を放棄もしくは引き渡す義務とすることから、新株予約権はこの考え方にあてはまらないため、負債性がないといえる。また、資本は報告主体の所有者に帰属するものであり、負債は返済義務のあるものと解するならば、いずれにも該当しない新株予約権は、中間的な区分を設け表示することも考えられるが、国際的には中間区分を解消する動きがあるため、純資産の部における株主資本以外の区分に記載することとした。

 

新株予約権の例題

 ストック・オプションに係る新株予約権の発行時点における発行者側の会計処理については、権利行使がなされるまで仕訳処理をしない考え方と、発行時点で仕訳処理を行う考え方とがある。そして、後者の考え方には、貸方勘定の性質に関して、負債とする説負債と資本の中間項目とする説資本とする説がある。この3つの説の根拠を述べなさい。

 

1.  ストック・オプションに係る新株予約権が権利行使されると,自社株を権利行使者に引渡す義務が生じる。ここで,負債の定義を資産の譲渡やサービスを提供する義務以外に自社株を譲渡する義務を含むように拡張すると,ストック・オプションに係る新株予約権は負債としての性質を有する。また,ストック・オプションに係る新株予約権は,将来の権利行使の有無により資本となるか利益となるか確定していないため,仮勘定として負債としての性質を有するともいえる。

 

2. ストック・オプションに係る新株予約権は,返済義務のある本来の負債にあたらず,かつ企業の所有者である株主以外のものに帰属する部分であるため,負債としての性質も資本としての性質も有していない。そのため,ストック・オプションに係る新株予約権は,負債と資本の中間項目としての性質を有する。

 

3. ストック・オプションに係る新株予約権は,将来権利行使されるか失効するかに関わらず,払込資本又は留保利益として報告主体の所有者に帰属することとなる以上,資本としての性質を有する。

 


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