会計学~財務諸表論(財表)の攻略方法

 税理士試験の財務諸表論をいかに一発で合格させるかを具体的に説明します。合格率10%の会計科目ですが、ポイントを押さえれば確実に合格できます。

 

財務諸表論合格戦略

 理論が弱いのか計算が弱いのか?理論であれば何が足らないのかを考える

 

 国家試験は基本的に暗記力が問われる。理論は作文にしてはいけない。会計基準ベースできちんと書くべきところは徹底的に暗記する。そこに財務諸表論特有の会計的思考力を加えて理論武装を図る。

 

 計算が弱いのは、簿記論の計算力不足が原因であることが多い。もし簿記論も受験するのであれば、徹底的に簿記のトレーニングと個別計算問題集を回転させ、総合問題で成績上位を目指す。特に「初見」での問題に対する取り組み方のセンスを磨いて下さい

 

 よく受験生から受けた質問に、「仮計算表はつくったほうがいいですか?」というのがありました。これは講師の間でも意見がわかれていて、わたしは「いらない」派でした。問題用紙に書いてある前T/Bの数字に+△を記入し、追加で必要な勘定科目は下あたりの空白部分にT勘(てぃーじかんじょう)を作ればいいのです。明らかにそのやり方のほうが、スピードがはやくミスも少なかったです。

 

会計学はおもしろい

 物事について考えるとき、ある方向から考察すると「良く」みえたり、別の方向からだと「悪く」みえたりすることがあります。具体的には「くるま」というものは、経済社会から捉えれば「便利なモノ」でしょうが、自然界からは「許されがたいモノ」になります。会計学でも同じような研究が行われ、例えば「繰延資産」は債権者保護の観点からは否定され、投資者保護の観点からは肯定されるのです。会計学を追求することは、物事を多面的に感じ、説明できる力を養うことにつながるのです。

 

会計学は社会を写し出す鏡である

 遠い昔、イタリアの冒険商人は出資者から資金を集め、イタリアの名産品を船に積んで中近東に旅に出ました。その遠い地で名産品を売却し、そのお金で中近東の香辛料を購入し、また船に積んでイタリアに帰ったのです。最後には、その香辛料をイタリアで売却して多大な富を得て、資本参加者に富みを分配し解散しました。このときに収支計算の必要性から「会計」が誕生し、経済取引の記録・計算技術が発達していったといわれています。

 時を経て現在では、市場において自由に有価証券を売買することができるようになり、誰でも資本参加が可能になっています。そこで、一般投資者を保護するために会計は、企業の実態を反映した財務諸表を定期的に作成し、開示することに重点を置いているのです。併せて、国際的視点から企業の業績を比較するために、グローバルスタンダードである国際会計基準も整備されつつあります。

 会計(簿記)は地味で古臭い印象を持たれがちですが、昨今の経済実態から考えれば、その考え方自体が古臭いです(笑)。企業買収、債権・不動産の証券化、終身雇用制度の廃止など、会計が日本経済に与えた影響は図り知れません。また、経済社会の変化から会計ルールも様変わりし、この10年間で商法(会社法)をも含めて大変革が起こっているのです。

 

会計学は攻めの科目である

 もし、自分の作った答案に不安を感じてしまったら、即、採点者たる試験委員に見透かされてしまいます。私はこれまで数千もの採点をしてきましたが、内容が似ていても出題者の問いかけ(出題意図)とズレていたり、重要な説明が書かれていないような自信の無さそうな答案をみると、ほとんどの場合低い点数をつけます。これは私が意地悪なわけではなく、試験委員も同じように、答案から感じる受験生の理解力不足に対して強い不快感を得てしまからなんです。自信をもって論述できるように早いうちから会計学に親しみ、深い理解を追求していきましょう(ただし、会計学者になるわけじゃありません。あくまで合格のための勉強です。)。

 

財務諸表の必要性と作成ルールを知る

 目的なしに企業は財務諸表をつくったりしません。情報を必要とする各種利害関係者に企業の実態を財務諸表という道具を使って伝達してあげるわけです。投資者の保護を目的とする場合は、企業の業績たる収益力の開示。経営者の経営判断に役立つ有用な情報を提供する目的なら、キャッシュ・フロー(将来予測)の状況の開示です。それら財務諸表によって伝えられる情報は信頼性の高いものでなければなりません。もし、経営者の勝手気まま思うがまま(恣意性という)な財務諸表が作成されてしまうと、不当に情報利用者たる利害関係者に損害を与える可能性がでてきてしまいます。そこで作成にあたって一定のルールを定め、企業の実態の適正開示と企業間比較を容易にしようとしたのが「制度会計」です。

 制度会計には大きく分けて主に会社法によって規制される会社法会計と、金融商品取引法によって規制される金融商品取引法会計があり、基本的会計原則としての企業会計原則や概念フレームワークといわれるものもあります。さらには、いわゆる会計ビッグバンといわれる新会計基準(金融基準など)も制度会計であり、これらの習得が合格答案への第一歩といえます。

 

難しい論点は極端な例で考えてみる

 会計学の中には内容を聞いただけでは、「意味不明」になりそうな難解なものがいくつか存在します。なぜなら、会計には抽象的な要素である、「収益・費用・利益・純資産」といった概念があるからです。例えば、後入先出法がなぜ価格上昇時に保有利得を期間損益に算入することを抑制できるのか?またそれが企業資本維持に役立つのか?を理解するには相当な時間がかかります。こういったときには、できるだけシンプルで極端な数字やモデルを使って研究すると、意外にあっさり理解できることが多いのです。

 

会計理論は絵でイメージし文章化する

 上記と重複しますが、難しい論点や重要な論点はいきなり文章から入るのではなく、なるだけわかりやすく図式化したもので理解してみてください。一度理解できたものは、そう簡単に頭から離れません。例えば、「モナ・リザ」の微笑みの絵なら誰でもそのイメージを思い浮かべることが出来るとおもいます。絵の構図と色合いなど色んな情報が次々と湧き出てきます。会計学は無味乾燥なものではありません。企業の経済活動とリンクするかのように絵で描き、語れるのです。文章の丸暗記ばかりで、応用力が失われることのないように気を付けましょう。

 

会計理論の暗記方法

 暗記法に絶対的なものはありませんが、私がよくやっていたのは、会計学の「きめゼリフ」のような部分は、何回もお経のように声に出して完璧になるまで覚えました。自分の声が耳から同時に入ってくるので、脳に定着するのが速くなるようです。さらに、重要キーワードである会計用語を正確に書けるように、実際にノートに書き出す作業もやってください。以前、公務員講座で国税専門官を目指していた受講生にアドバイスしたら、急激に会計学の成績が上がりました。

 

暗記するときは「声に出す」「キーワードを書く」

 

 


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